維持期・生活期のリハビリテーション
脳卒中後は、活動量が少なくなることで筋力や体力が低下し、歩行速度の低下や転倒につながることがあります。
さらに、活動量の低下が続くと、筋肉量や体重の減少、疲れやすさなどが重なり、フレイルにつながる可能性もあります。
そのため、脳卒中後の生活では、現在の身体機能をできるだけ維持しながら、無理のない範囲で身体を動かす習慣を継続することが大切です。
当院では、現在の身体状態や生活状況を確認したうえで、鍼灸を用いて身体のコンディションを整え、運動や日常生活を続けるための身体づくりをサポートします。
脳卒中後の痛み・しびれ
脳卒中後には、麻痺側の手足だけでなく、身体のさまざまな部位に痛みやしびれが生じることがあります。
特に、脳の感覚を処理する領域が障害されることで起こる「中枢性疼痛」では、通常の筋肉や関節の痛みとは異なる特徴を示す場合があります。
痛みの感じ方には、神経系だけでなく、自律神経や血流、筋緊張など複数の要素が関係しています。
当院では、痛みやしびれの部位だけを見るのではなく、
・どのような動作で症状が出るのかなども確認しながら、身体全体の状態を評価します。
脳血流と三叉神経への鍼刺激
脳血流は、血管そのものの働きだけでなく、自律神経系や三叉神経など、さまざまな神経系の影響を受けています。
三叉神経は顔面や頭部の感覚に関係する神経で、脳血管の調節にも関与すると考えられています。
鍼灸では、頭部や顔面、四肢などに適切な刺激を加えることで、神経系や循環に対して作用する可能性が研究されています。
当院では、症状や身体状態を確認しながら、必要に応じて頭部・顔面・四肢などへの鍼刺激を組み合わせます。
※鍼刺激による脳血流への作用や症状改善については研究が進められている段階であり、すべての方に同じ効果が得られることを保証するものではありません。
痙縮・筋緊張に対するアプローチ
脳卒中後には、筋肉が過度に緊張して動かしにくくなる「痙縮」がみられることがあります。
例えば、肘や手指が曲がったままになったり、足首が動かしにくくなったりすることで、歩行や日常生活の動作に影響することがあります。
筋肉の動きには、主に「主動筋」と「拮抗筋」が協調して働く仕組みがあります。
当院の鍼灸では、筋緊張の調整を目的とした筋肉や神経に対するアプローチを行います。
単に緊張している筋肉だけを見るのではなく、
「どの筋肉が過剰に働いているのか」
「反対側の筋肉が十分に働いているのか」
「関節の動きに制限がないか」
などを確認しながら施術を行います。
脳卒中後の嚥下・姿勢について
脳卒中後には、食べ物や飲み物を飲み込む「嚥下」に問題が生じる場合があります。
嚥下には、舌・喉・首周囲の筋肉だけでなく、姿勢や体幹の安定性も関係しています。
特に、身体が前方に丸くなった「円背」などの不良姿勢では、首や肩周囲の筋肉に負担がかかり、嚥下に関わる筋肉の働きにも影響する可能性があります。
例えば、
不良姿勢
↓
首・肩周囲の筋緊張
↓
舌骨周囲の動きに影響
↓
嚥下運動に影響する可能性
というように、姿勢と嚥下機能には密接な関係があります。
そのため、脳卒中後の身体を考える際には、手足だけでなく、頭部・首・肩・体幹を含めた全身の状態を確認することが重要です。
当院では、首肩周囲や背部などの筋緊張、姿勢、呼吸などを確認し、身体全体のバランスを整えることを目的とした施術を行います。
※嚥下障害がある場合、誤嚥性肺炎などのリスクがあるため、まずは医師や言語聴覚士など専門職による評価を受けることが重要です。
脳卒中後の「疲れやすさ」にも着目
脳卒中後には、少し身体を動かしただけでも疲れを感じたり、以前より活動量が減ったりすることがあります。
「歩く距離が短くなった」
「外出する機会が減った」
「以前より疲れやすい」
「身体を動かすことがおっくうになった」
こうした変化が続くと、さらに活動量が低下するという悪循環につながることがあります。
当院では、痛みや筋緊張だけでなく、疲労や睡眠、日常生活での活動状況なども確認しながら、無理なく身体を動かせる状態を目指して施術を行います。
脳卒中後の生活を
鍼灸でサポート
脳卒中後の身体には、麻痺・痙縮・痛み・しびれ・疲労・姿勢・歩行など、さまざまな問題が複合的に関係しています。
そのため、症状が出ている部分だけを見るのではなく、身体全体の動きや生活背景まで含めて考えることが大切です。
当院では、現在の身体機能を丁寧に確認し、一人ひとりの状態に合わせた鍼灸施術を行っています。
「リハビリを続けたいけれど身体が痛い」
「麻痺側の身体が動かしにくい」
「歩くとすぐに疲れてしまう」
「脳卒中後の身体のケアを継続したい」
このようなお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。
※脳卒中の急性期や症状が急に悪化した場合は、鍼灸ではなく速やかに医療機関を受診してください。
Q1. 脳卒中後の後遺症でも
鍼灸を受けられますか?
A. はい。脳卒中後の麻痺、痙縮、痛み、しびれ、筋緊張、疲れやすさなどについて、身体の状態を確認しながら施術を行っています。
ただし、発症直後の急性期や体調が安定していない場合は、まず主治医にご相談ください。
Q2. 脳卒中後の痙縮にも
鍼灸はできますか?
A. はい。筋肉の緊張状態や関節の動きなどを確認し、過剰な筋緊張の調整を目的として施術を行う場合があります。
痙縮の程度や症状には個人差があるため、一人ひとりの状態に合わせて対応します。
Q3. 脳卒中後の痛みやしびれにも
対応できますか?
A. はい。脳卒中後には、筋肉や関節の負担による痛みだけでなく、神経系が関係する痛みやしびれがみられることがあります。症状の出方や身体の状態を確認し、鍼灸によるサポートを行います。
Q4. リハビリと鍼灸を一緒に
受けても大丈夫ですか?
A. 電気を流すことで、軽くピクピクするような刺激を感じることがあります。刺激の強さはその都度確認しながら調整しますので、無理のない範囲で受けていただけます。
Q5. 歩きにくさや転倒への不安にも対応していますか?
A. はい。歩行時の身体の使い方、筋緊張、関節の動き、姿勢などを確認します。鍼灸によって身体を動かしやすい状態に整えることを目指し、日常生活での運動やリハビリテーションをサポートします。
Q6.どのくらいの頻度で通えばいいですか?
A. 症状や発症からの期間、身体の状態、リハビリの状況によって異なります。
初回に現在のお身体の状態を確認したうえで、無理なく継続できる施術頻度をご提案します。
Q7.脳卒中を発症してから時間が経っていますが、鍼灸を受ける意味はありますか?
A. 発症から時間が経過している場合でも、痛みや筋緊張、身体の動かしにくさ、疲れやすさなどのお悩みが続くことがあります。
現在の状態を確認し、日常生活や運動を続けるための身体のコンディションを整えることを目的に施術を行います。
Q9. どんな人が相談できますか?
A. 脳卒中後の麻痺・痙縮・痛み・しびれ・歩行のしづらさ・疲れやすさなどでお悩みの方が対象です。
現在のリハビリや治療を続けながら、身体のケアを取り入れたい方もご相談ください。