このような症状で
お悩みではありませんか?
朝起きたら急に顔が動かなった
うがいをしたら水が溢れ、鏡を見ると顔が曲がっていた
目と口が同時に動いてしまう
これまでいくつかの治療院にも通ったが、なかなか良くならず悩んでいる
顔面神経麻痺は、突然顔の筋肉が動かしにくくなる症状です。
発症から約3ヶ月程度は「急性期」と呼ばれ、この時期には次のような症状が見られます。
顔面神経麻痺は早期のケアがとても大切です。
適切なケアを行うことで、回復を促し後遺症のリスクを減らすことが期待できます
顔面神経麻痺の慢性期(発症から4ヶ月〜1年以上)は、30%の方が後遺症として以下のような症状が出現する場合があります。
① 拘縮(こうしゅく)
拘縮とは、麻痺していた筋肉が常に緊張した状態になり、顔の動きが固くなってしまう状態です。
例えば次のような症状が現れることがあります。
・ほうれい線が深くなる
・目が開きにくくなる
・顔の動きがぎこちなくなる
顔面神経が長期間動かない状態が続くと、脳は「もっと強く動かそう」と信号を送り続けます。
その結果、筋肉の緊張が強くなり、顔のバランスが崩れてしまうことがあります。
②病的共同運動(びょうてききょうどううんどう)
神経が回復していく過程で、本来とは違う筋肉に神経がつながってしまうことがあります。
これを「迷入再生」と呼びます。
例えば
・口を動かすと目が閉じてしまう
・目を閉じると口元が動く
など、意図しない場所が同時に動く症状が現れることがあります。
顔の神経は複数の枝に分かれており、本来はそれぞれが正しい筋肉へ伸びていく必要があります。
しかし再生の過程でズレが起こると、このような症状につながることがあります。
顔面神経麻痺のときに「無理に顔を動かす」のはやめましょう。
顔面神経麻痺になると、「動かないなら、動かそう」と思って、無理やり顔を動かそうとする方がいらっしゃいます。ですが、この行為は回復を遅らせ
病的共同運動(目と口が一緒に動くなど)という後遺症を招くリスクがあります。神経が損傷している時期に無理な運動をすると、誤った神経再生を促すためです。
顔面神経麻痺の重症度を評価する検査
顔面神経麻痺では、どの程度顔面神経が障害されているのかを客観的に評価することが、治療方針や経過を考えるうえで重要です。
代表的な評価方法として
・ENoG(Electroneurography:電気生理学的検査)と
・柳原法(40点法)があります。
ENoG(電気生理学的検査)とは?
ENoGは、顔面神経を電気刺激し、顔の筋肉から得られる電気的な反応を測定する検査です。
左右の顔面神経の反応を比較することで、顔面神経がどの程度機能しているのかを客観的に評価します。
ENoG値は、健側に対する患側の反応の割合を示したもので、一般的に値が低いほど顔面神経の障害が強いと考えられます。
特に顔面神経麻痺の発症後、3〜14日後に行うことで、神経変性の程度や予後を判断する際の参考となります。
(発症直後ですと正確な評価になりにくいですし、1か月以上経つと、再支配、神経回復、異常再生などが混ざり始めるので、「急性期の神経変性評価」としての価値は下がります。)
ただし、ENoG値だけで回復の可能性を完全に判断できるわけではなく、発症からの期間や臨床症状などと合わせて評価することが重要です。
柳原法(40点法)とは?
柳原法(40点法)は、顔面神経麻痺の程度を顔の動きから評価する方法です。
額のしわ寄せ、閉眼、口角の運動など、顔面神経が支配する複数の表情運動を確認し、それぞれの動きを点数化します。
合計点は0~40点で、点数が低いほど顔面神経麻痺が重度であることを示します。
一般的な目安として、10点以下は高度の顔面神経麻痺に該当する重症例として評価されます。
ただし、「10点以下=完全麻痺」と一律に判断するものではありません。
完全麻痺かどうかは、実際の顔面の動きや他の検査結果などを含めて総合的に判断されます。
ENoGと柳原法を組み合わせた評価
ENoGは顔面神経の電気的な機能を客観的に評価する検査、柳原法(40点法)は実際の顔の動きを点数化して評価する方法です。
それぞれ異なる側面から顔面神経麻痺の状態を確認できるため、医療機関では症状や発症時期に応じて、これらの検査結果を治療方針や予後を考える際の参考にします。
病院での顔面神経麻痺の治療は、発症した原因や麻痺の程度、発症からの期間などによって異なります。
ステロイド・抗ウイルス薬による治療
末梢性顔面神経麻痺の7〜8割は単純ヘルペスウイルスや水痘・帯状疱疹ウイルスなどの関与が考えられる為、発症早期にステロイド薬、抗ウイルス薬を中心とした治療が行われます。
顔面神経麻痺では、顔面神経が通っている骨の管(顔面神経管)の中で神経の炎症や腫れが起こり、それによって神経が圧迫されることが麻痺の一因と考えられています。
ステロイド、抗ウイルス薬には炎症や神経周囲の腫れを抑える作用があるため、神経の障害を軽減し、回復を促すことを目的として使用されます。
顔面神経減圧術
顔面神経減圧術は、顔面神経が通っている骨性の管(顔面神経管)の一部を開放し、腫れた顔面神経への圧迫を軽減することを目的とした手術です。
薬による治療だけでは十分な効果が期待できない重症例などで、専門医が適応を判断して検討することがあります。
ただし、顔面神経減圧術は、すでに損傷した神経を直接修復・再生させる手術ではありません。
そのため、手術の適応や期待できる効果については、顔面神経の状態や麻痺の程度などを踏まえて、耳鼻咽喉科などの専門医に相談する必要があります。
ボツリヌス療法(ボトックス)
顔面神経麻痺の後遺症として、顔の筋肉のこわばり(拘縮)や病的共同運動などが残る場合があります。
ボツリヌス療法は、ボツリヌス毒素製剤を筋肉などに注射し、過剰な筋肉の収縮を一時的に抑える治療です。
例えば
・口を動かすと目が閉じてしまう
・顔の筋肉がこわばる
・顔の左右差が気になる
・顔の一部が意図せず動いてしまう
といった顔面神経麻痺後の症状に対して、症状の軽減を目的に行われることがあります。
ボツリヌス療法は、傷ついた顔面神経そのものを再生させる治療ではなく、顔面神経麻痺後に生じた筋肉の過剰な収縮や不随意な動きを調整する治療です。
薬剤を投与後、数日~2週間程度で効果が出現し、3~4か月程度効果は持続するといわれています。
①急性期(発症直後〜)
この時期は神経の炎症をできるだけ早く抑え、ダメージの拡大を防ぐことが重要です。
②後遺症期(こわばり・共同運動などが残る場合)
時間の経過とともに、筋肉の硬さや不自然な動きが目立つことがあります。この段階では、筋肉と神経の両面からアプローチします。
・硬くなった表情筋に柔軟性を与える
・短縮した筋線維をやさしく伸ばし、こわばりやつっぱり感を緩和
・ほうれい線の深まりや口角の上がりにくさの改善
・神経の過剰な興奮を鎮め、痙攣や共同運動を軽減
筋肉の柔軟性と神経の安定を取り戻すことで、より自然でスムーズな表情を目指します。
また当院ではお顔の症状だけでなく、疲労感、睡眠の乱れ、身体の緊張などの全身症状にも着目しています。
顔面部と全身の状態を確認しながら鍼灸施術を行い、顔面神経麻痺の回復過程で生じるさまざまな不調の軽減を目指します。
Q1. 顔面神経麻痺になったら、まず病院に行った方がいいですか?
はい。できるだけ早く医療機関を受診することをおすすめします
Q2. 顔面神経麻痺に鍼灸は効果がありますか?
Q3. 顔面神経麻痺になってすぐ鍼灸を受けても大丈夫ですか?
発症直後は、まず医療機関を受診して原因や重症度を確認することが重要です。
Q4. 顔面神経麻痺の後遺症にも鍼灸はできますか?
はい。顔面神経麻痺の回復後に残る
顔のこわばり、共同運動、つっぱり、痛み、拘縮、左右差などに対して、症状に合わせた鍼灸施術を行うことがあります。
Q5. 病的共同運動にも鍼灸はできますか?
病的共同運動とは、顔を動かそうとした際に、意図していない別の筋肉まで一緒に動いてしまう状態です。
例えば「口を動かすと目が閉じる」「笑うと目の周囲が動く」などがあります。
当院の鍼灸では、過緊張している筋肉などの状態を確認しながら、症状の軽減を目的として施術を行います。
Q6. ENoGとは何ですか?
ENoG(Electroneurography)は、顔面神経を電気刺激し、顔の筋肉から得られる反応を測定する検査です。
左右の反応を比較することで、顔面神経の障害の程度を客観的に評価する際に用いられます。
一般的にENoG値が低いほど、顔面神経の障害が強いことを示唆します。
Q7. 柳原法(40点法)とは何ですか?
柳原法(40点法)は、額のしわ寄せ、閉眼、口角の運動など、顔のさまざまな動きを確認して顔面神経麻痺の程度を点数化する評価方法です。
合計40点で評価し、点数が低いほど麻痺が強いことを示します。
Q8. 柳原法で10点以下だと完全麻痺ですか?
柳原法(40点法)で10点以下の場合は、一般的に高度な顔面神経麻痺として評価されます。
ただし、10点以下だからといって必ずしも「完全麻痺」と一律に判断するものではありません。
麻痺の程度は、実際の顔の動きやENoGなどの検査結果、発症からの期間などを含めて総合的に評価します。
Q9. 顔面神経麻痺はどのくらいで治りますか?
回復までの期間には個人差があります。
原因、麻痺の程度、治療開始時期、神経障害の程度などによって回復の経過は異なります。
Q10. 病院での顔面神経麻痺の治療と鍼灸を併用できますか?
Q11. 顔面神経麻痺のリハビリは必要ですか?
顔面神経麻痺の回復過程では、症状や時期に応じて適切なリハビリテーションやセルフケアが検討されます。
特に後遺症として拘縮や病的共同運動がある場合は、自己流で強く顔を動かしたりマッサージしたりするのではなく、専門家に相談しながら行うことが大切です。
当院では、顔面神経麻痺リハビリテーション講習会にも参加し、顔面神経麻痺の回復過程や後遺症に対するリハビリテーションについて学んでいます。
その知識を活かしながら、お一人おひとりの症状や回復段階に合わせて、セルフケアや日常生活での過ごし方についてもご案内しています。